お薬豆知識、薬のコーティングの話
- ゆう
- 2020年7月31日
- 読了時間: 2分
以前に話題にした「アンサングシンデレラ」ご覧になりましたでしょうか?
ドラマの演出上、ん?ってところはありましたが、薬剤師としての仕事を上手く表現できている、と感じました。薬を準備する調剤の修羅場感やDrに気を遣いつつ患者さんのために意見を言う所、待たされて怒鳴る人、など色々共感できました。なにより石原さとみさんは美しいですね 笑
そこで今回は、第2話に登場したクラリスロマイシンという薬を例に薬の飲み方やコーティングについての注意点です。
このクラリスロマイシンという薬、マクロライド系に分類される抗生剤、つまり細菌をやっつける薬で、商品名としてはクラリスやクラリシッド、ジェネリックではそのまま成分名で発売されています。このマクロライド系抗生剤、もともとの薬の成分は凄い苦いんですね。とても飲めたものではないので薬の周りをコーティングして錠剤や粉にすることで、苦味を感じにくくしてあります。
特に子供に使う場合、甘いドライシロップでコーティングすることで飲みやすくしているのですが、このコーティング、酸性の胃で溶けるよう設計されているので酸性の飲み物で飲むと剥がれてしまうんですね。(噛んで壊してもおなじことですね)例えば、オレンジジュースやリンゴジュース、乳酸飲料、スポーツドリンクなどなど、です。ただ子供は薬を嫌がるのでどうしてもジュースを使いたいもの。そこでお勧めできるのがアイスクリームです。アイスは甘さで苦味を抑えると共に、舌を冷やすことで味覚を鈍らせることができるのでお勧めです。(まぁ、鈍った味覚で甘さを感じるということは、それだけ砂糖の量が多いんですけどね)
また、同じ抗生剤でもマクロライド系に分類されないものは酸性の飲み物もOKの場合があったり、牛乳などのCaやMgが多い飲み物は2時間以上空けたほうがいい抗生剤、逆に噛んで飲み込んだ方が良い薬、漢方薬は溶かしてココアや蜂蜜などを混ぜて服用してもOKの場合がある、などなど薬によって飲み方の注意点は違ってきます。
このように薬によってのNG、飲み方のアレンジなど大人の薬でも色々あります。ぜひ薬剤師を頼って相談してみてください。

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